2013年7月23日火曜日

現実と非現実の間で、生きねば

風立ちぬ


2011.3.11の震災以降、現実と非現実の間で2年もの歳月が過ぎた。
そして、これから先もこの間の中で生きていく。
僕たちは生きねばならない。

堀越二郎は震災、第2次世界大戦の時代に生きた。
より美しい飛行機を作ることに没頭するが、飛行機は戦闘機、零戦となって飛んでいった。

夢と現実が交互に表れる。
夢の世界はカプローニの王国であるが、二郎は地獄だと思ったと言う。
現実は厳しく、妻となる菜穂子に出会うも結核であった。
二郎はそれでも仕事に打ち込む。
「男は仕事に打ち込むべきだ。」菜穂子の父の言葉である。

二郎のしゃべり方(庵野さんの声)は、エンジニアそのものである。
人の話を聞いてるのか、聞いてないのかわかんない返答。
そんな不器用な二郎が、愛のことばを妻に言う。
庵野さんが言っていると思うと、おもしろい。

勉強会で盛り上がる設計士たち。
新しい技術を取り入れ、みな一丸となって作り上げていく。
羨ましく思う。

宮崎駿作品の女性はみな強い。菜穂子も然り。
自分が一番美しいときに二郎と過ごし、去っていった。
美しく強い女性をずっと見ていたいのだろうなぁ。

荒井由実の「ひこうき雲」はテーマ曲として、映画をとりまとめている。
空に憧れて、空を駆けてゆく。あの子の命はひこうき雲。

この非現実的な現実の中で、事実を受け止め、
現実的に非現実な夢を追い求め、生きねば。

2013年7月6日土曜日

選挙2を観て

選挙2

本日7月6日公開の想田和弘監督の観察映画第5弾「選挙2」を観てきた。

フライヤーには「山さん、怒りの再出馬。」とあるが、いま本当に怒っているのは想田監督ご本人である。
「選挙」で自民党公認候補として川崎市議選に出馬した山さんこと山内さんが、3.11を受けて独立系完全無所属として2011年4月の川崎市議選に再出馬した選挙を観察した本作。

観察映画はよくあるドキュメンタリーと違い、感じとってほしいことを主張するのではなく、観た人それぞれで考えてほしい。と監督は説明していた。
しかし本作は伝えたいメッセージははっきりあるし、監督の主張が強いものである。
そう、怒っていた。

その一つには、権力による圧力、表現の自由の規制を現政党がしようとしていることだ。
自民党公認候補の方を撮影しているとき、撮らないでくれと言われていた。
そして、その晩に自民党川崎市連から弁護士を通じて「肖像権の侵害にあたるため、撮影をやめ、削除せよ」と抗議があったそうだ。(上映後の舞台挨拶にて監督がそう語っていた。)
しかし、候補者は議員(候補)という公人であり、公の場で活動する選挙をやっているため、肖像権の侵害に当たらない。監督も弁護士に確認し、抗議内容はナンセンスな主張であると判断された。

選挙2の上映にあたっても、問題が起こった。
千代田区からの圧力によって日比谷図書館での上映が一時中止にまで追い込まれた。
日比谷図書館での『選挙』上映が一時中止された件について

そして現政権与党の自民党の憲法改正案には、表現の自由を含む第十三条について次のように変更している。
第十三条 全て国民は、として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない
なお、現憲法の第十三条は以下。
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

さらには、創作活動における検閲を禁止している第二十一条第二項はこのようになっている。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない。
下は現憲法。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
自由民主党憲法改正案より引用 (http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf)

「公益及び公の秩序」とは一体誰が定めるのか?
それは政府でしかない。つまり、政府に逆らうものは認めないと言っているのだ。
想田監督は撮影時と日比谷図書館での件から、このことについて強く訴えていた。


この事実を聞いて驚いたけれど、いま書いていて末恐ろしく感じる。
国民の関心が薄いことをいいことに、政治家が都合の良いよう支配しようとしている。
そう思わざるを得ない。

僕たちに与えられている参政権は投票することだ。だから、まずは、きちんと投票しよう。
そして、もっと政治の話をしよう。

これから日本に生きていくのなら、自分たちが行動するしかないのだから。

2013年7月3日水曜日

監督自身が映画

ロマン・ポランスキー 初めての告白


ロマン・ポランスキーが自分の半生を自身の口から語るドキュメンタリー。

第2次世界大戦を経験したり、妊娠中の妻が殺人にあったり、未成年への性行為事件が30年も拗らせたり…
苦しい経験をしつつも、映画を作り続けている巨匠です。

不勉強ながら、本監督作品はゴーストライター、ナインスゲートしか観たことないのですが、精巧な脚本であり、サスペンスが上手く、完璧だと感じました。
ローズマリーの赤ちゃん、チャイナタウン、戦場のピアニスト、と名作がたくさんあるので、しっかりと観ていきたい。

本作の中でポランスキーが、もし墓場に持っていく映画は?との問いに、「Pianist」と即答していたのが印象的だった。
やはり自身の戦争体験をリアルに描いたといわれる戦場のピアニストは、特別な作品であるのだ。

若い頃のポランスキーを見ていて、誰かに似ているなと思っていたら、サッカーのメッシにそっくりだ。
背の低いところや、童顔なところ、顔そのものも似ている。
なんだかんだいって、顔は大事だな。